観劇感想『しんちくん』 2019.11.3(sun)

 

 『時は平成37年。2年前に可決された「同宅介護補助特別法」、通称「同特法」により被介護者との同居を条件に若年層に新築の家が割り当てられることになりました。しかも、新築の家だけでなく現金200(非課税)も漏れなくプレゼント!しんちくんは、この法律を使って家を手に入れるだけでなく、民泊経営を始めます。いよいよオープンの日、しんちくんが以前に利用していたライブハウスのオーナー谷井が被介護者としてやってきます。実はしんちくんはこの谷井が苦手。そこに谷井の別れた奥さんとの娘、かなでが同特法調査員としてやってきて…』(パンフレット記載抜粋)

 

 徳島県に新たに設立された『アトリエくま』。そこのこけら落とし公演も兼ねて行われた劇団まんまるの第5回本公演。

 ロックな生き方を信条にする男・碇しんちと、その周りの個性豊かなメンバーで繰り広げられるドタバタコメディ。8役ある中で4役がWキャストの為、回によって異なるやりとりが楽しめそうであったり、前回の公演『吃音ヒーロー』にも登場していた人物(もしかしたらそれ以前にも出演していたのかもしれないが未視聴な為不明)が登場したりと、劇団まんまるのファンや作品を観続けている人にとって嬉しいサプライズも盛り込まれている。

 

 こういうシステムが増えたらこういう詐欺も増えるだろうなと妙にリアルな部分を感じたり、しんちくんの裏表の無い性格故にかなでに対するストレートな好意が見ていて微笑ましくなる。

 オープニングにしんちくんが歌う歌の歌詞が、始めは「何を意味しているのだろうか?」とモヤっとするのだが、物語全てを観終わった時に「なるほど」と繋がる仕組みになっていて面白かった。