観劇感想『未完の玩具箱』 2019.3.17(sun)
『今回の企画「未完の玩具箱」ですが文字通りいくつもの玩具(演目)を用意しております。私にとっての「玩具箱」とは「ワクワクの象徴」とも言えます。子供も大人も何かに夢中になれるというのは素晴らしいことです。箱の中からでてくるワクワクで、皆さまに素敵な時間をお届けできたらと思います。』(代表挨拶一部抜粋)
未完の劇団旗揚げ公演。内容は大きく分けると『朗読ライブ、インプロショー、一人芝居』の3演目。朗読のしっとりしたスタートを切ったかと思えば、インプロショーでは役者の息があがるほどの勢いある即興劇が繰り広げられ、最後は河端さつき氏の今にぴったりな「卒業」というテーマの一人芝居でラストを締めくくる。
インプロショーを初めて観た為、インプロ(即興)と一言でいえど様々な種類があるのだと今回知った。
それぞれ役者が順番に一つの文節を発して、それを途切れないよう上手く繋げて物語として成り立たせる「ワンワード」。
司会、解説(専門家)、写真役を決め、客の出したお題について司会と解説(専門)が会話をしていく中、解説(専門)の資料変わりに写真役がそれに関する動きをする「司会者、解説者」。
役者の「今いる場所と2人の関係」を客に指定してもらい即興をする中で、予め客に書いてもらった言葉(あるいは単語)が書かれた紙をシーンの途中で引き、自分の台詞として話す「ペーパーズ」。
個人的には、場面にそぐわない奇想天外な言葉が飛び出しつつも物語をなんとか進めようと役者が奮闘するのが面白い「ペーパーズ」が観ていて好きだった。
朗読、一人芝居は目標点が定めやすい分稽古しやすいと思うが、インプロ、特に観客参加型は当日までどのようなお題や場面が飛び出てくるかわからない。稽古もいくつものパターン、あるいは臨機応変に対応できるような柔軟さを持ち合わせないと成立しない為、旗揚げでこれらをやり切ったので凄いなと感じた。