観劇感想『殺人事件の起きるまで。』 2019.3.30(sat)
あらすじ『「また、脅迫状?」舞台は人里離れた山の中の別荘。姫山と袋田はスキーをするため、そこを訪れる。出迎えたのは別荘の家主である、ミステリー作家桐野。そしてアシスタントを名乗るどこか怪しげな男、青木。それぞれの思惑が交錯し、物語は思わぬ展開へ…!?死ぬのは誰だ!?犯人は!?探偵は!?笑いあり、涙ありの長編サスペンス開幕!!』(フライヤー記載抜粋)
松山大学演劇部の本公演。今回は白井秋氏の脚本を使用し、学生ではなく松山大学OBの久保博樹氏が演出を務めた作品。
オリンピックの五輪のような輪っかが舞台の天井から吊るされ(実際の数は4つ)、舞台上には中央に3人掛けのソファとローテーブル、人が座れるくらいの大きさの立方体の箱が数個、上手寄りに本棚が置かれている。
役者が客席から舞台に上がり、ドラマのオープニングのような演出でスタートする。役者の衣装やその時の雰囲気を表すBGM等が、観劇が初めての人でも分かりやすいスタイルのような印象を受けた。黒子に協力してもらって舞台上で着替えるのを初め観た時は少し驚いたが、何回かすると慣れてくるのが不思議な感覚だった。
私自身が大きな演技が出来ないのをひしひしと痛感しているため、あのような演技が出来るのはただただ尊敬する。伏線も散らばらせたものはしっかり回収して大団円で終わる優しい物語。
一つ勿体ないなと思ったのは、ミステリーサスペンスというよりはコメディ寄りの内容だったが故に、台詞が放たれてから客の耳に言葉として伝わるのに「間」が生じてしまうあの空間が惜しいような気がした。(せっかく普段は出されていない前の席が用意されていた為、そちらに座れば良かったのだけの話かもしれない。)
作中でも「部員が増えて欲しい」と切実な願いを叫んでいたので、少しでも部員が増えることを祈っています。