観劇感想『デッドエンドインザ廃墟』 2019.4.27(sat)
心霊スポットであり、神隠しにあうなど良くない噂のある廃墟。そこへ、夫婦、夫婦の友人とその彼女、強盗4人組、余命宣告された男と、様々な人間が様々な思惑を抱えて廃墟にやってくる。
そこで巻き起こるのは、目の前で突然人が消えたり、かと思ったら別の人間が現れたり。ゲームの支配人という訳のわからない人物(幽霊?)から「誰かを笑わせないと戻れない」と、無理難題な条件を押し付けられたりと、廃墟という舞台とは裏腹に、ポップでコミカルに物語は進んでいく。
coup companyオリジナルのオープニングダンスと共に、今回は物語のキーアイテムでもあるペンライトを活用したスタイリッシュな役者紹介が、ゾクっとするかっこよさで個人的には凄く好きでした。
けんけんの飄々としてネジが数本飛んでたキャラや、支配人の死神チックな雰囲気が、今回の物語に登場する人物の中で好きでした。(両方実際に存在したら関わりたくはないですが。)
役者の数も相変わらず多いけど、物語の中で一人一人にきちんとスポットが当たってて、役者たちも見せ場と緩む箇所のオンオフを切り替えながら和気あいあいと楽しそうに演じているのは、観ている側も楽しいです。
そしてそろそろ学ばないといけないのは、コミカルで和気あいあいとしている空気に惑わされてつい忘れてしまう、大団円では終わらないという部分。
今回でcoup companyの作品を観るのはかれこれ3回目で、前回も、前々回も、伏線で結末を予想した結果「そうくるか~」ってなったのですが、今回も案の定引っかかりました。
「観客にここまではわかってもらいたい(わからせる)けど、ここからは期待や予想を裏切りたい」という意図があるのかなと感じながら、とにかく脚本・演出が毎回毎回見事だなと思いました。