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4月10日までギャラを大幅値下げした理由

久しぶりに仕事関連で反響が大きかったです。

メッセンジャーでのお問い合わせも昨日だけで数件ありました。

 

この短文の投稿だけですと色々な憶測を読んでしまいまして身内からすら心配されてしまいましたのでどうしてこう言う決断になったかを説明させてください。

 

 

1.どうして4月10日までなのか

 

ここまでの仕事が全てキャンセルになりマジックショーの仕事がゼロになりました。

キャンセル料をいただく場合もありますが基本的に片方に落ち度がない場合は発生しないのがなんとなくこの業界の不文律ですから収入も単純になくなりました。

収入的には東温市地域おこし協力隊の給料もありまして直ちに廃業するほどピンチではないのですが現在の状況を冷静に判断して代わりの予約や依頼が入るとは思えず、通常のギャラで使っていただいてる方々に不公平感を感じさせてしまうことはないと判断しました。

 

 

 

2.どうして3月11日に発表したのか

 

偶然と言ってしまえばそれまでなのですが。

とにかく自分の仕事はこの状況をどうやって生き延びるべきかを真剣に考えてる時に、やはり2011年の東日本大震災のことを思い出しました。

イベント業界は大変なことになってました、当時も。

自粛自粛の中止ドミノで本当にこれどうなってしまうんだろうと。

自粛ムードおさまってくると次は「チャリティーなのでノーギャラでお願いします」と言う流れでした。

ただでさえ仕事がなくなり無収入になってるところにノーギャラの依頼というダブルパンチで膝から崩れていった人や団体をいくつも見てきました。

 

ただ当時、私は一つも仕事が流れませんでした。

まだまだ始めたばっかりでそもそも仕事が少なかったのもありますが、その時に私がメインの商品にしていたクロースアップマジックはそもそも大きいイベント向きではなく、ホームパーティだったりレストランだったりどちらかといえばクローズドの仕事がメインだったことと当時はまだまだギャラも安かったことで「どうにかイベントをやりたいけど予算が…」と言う情勢にマッチしたのもあったかと分析しています。

 

とにかく。

そんなかで今回のコロナウイルス感染拡大防止の流れでの中止ドミノは私の中で初めての体験でした。

収入がなくなることへの絶望感はそこまで感じません。自分に非があるわけではないし誰かが悪くない以上、生き残ってさえいればまた前までのような日常が戻ってくるだろうと漠然と思っています。

一番感じたのはスケジュールから消した後におそう無力感でした。

これは本当にしんどい。

皆さんにお見せするマジックや30分くらいですし、コントだって長くて2時間です。

でもそれのための準備や練習が全て無駄になるというのはなんだから自分のやってきたことが否定されたような気持ちになるのです。

 

私がやってきたことは本当に社会に必要なことなのだろうか。

いや、不要不急の仕事なのは納得したとしても政府が要請している期間より向こうのイベントが告知よりも前にバタバタ中止になっているのを目の当たりにして流石にパフォーマー側が何か動かないと行けないと感じたのは事実です。

 

 

3.どうして1万円プラス交通費という値段なのか

 

これも偶然なのですが2011年ごろの私のギャラと同じにしました。

絶対に決めていたのは無料にはしないということ。

どんなに安くしてもあの頃にもらっていたギャラは絶対にもらおうと。

確かに不要不急の外出を控えているユーザーに向けて宣伝も兼ねて無料で回る方法やネット配信なども考えたのですが、そもそもクロースアップマジックは目の前で楽しむ芸能ですから政府が要請しているようなイベントじゃなくても活用していただけるものです。

 

しかしながらありがたいことに現実として私の仕事は当時と比べて変わってしまいました。

仕事も100人近い観客の前でやることも多いですし、オリジナルの作品を作るとなるとそれこそ一回に大学生が頑張りまくったバイト代くらいのギャラをもらうこともあります。

9年の時を経て身近なはずのクロースアップマジックが気軽に楽しめるものじゃなくなってしまってたのです。

このことは否定するつもりも謙遜するつもりもないのですが、皆さんが「大人数のイベントは少し抵抗があるけどエンタメは楽しみたい」と思っている中で期間限定ですが”前のようにマジシャン自ら相手のフィールドに会いに行く”スタイルを復活させてもいいのではないか。

こう思ったということです。

 

 

4.1万円ということで内容に差はあるのだろうか

 

ごめんなさい。

同じというわけにはいきません。

ステージのような大人数向けのマジックはしません。

お金がかかるのもありますし自粛の流れもある中でどうだろうと思いますので。

基本的にテーブルスタイルのクロースアップマジックです。

最大で30人くらいでしょうか。

劇団コバヤシライタのクロースアップパフォーマンスがそのくらいですからライブに来ていただいたことのある人はどれだけ間近でマジックを楽しむことが出来るかわかっていただけるかと思います。

演技時間は相談に応じますが基本的に合計で30分ほどです。

トランプコインを中心としたクラシックなパフォーマンスとなります。

これも私がお金をいただき始めたことに毎週やっていたことです。

損はさせません。

”1万円〜”と書きましたが交通費+宿泊費をいただきたいと思います。

「とにかく仕事が終わった後に三瀬の手元に1万円が残っている状態」にしてもらえるようにギャラを考えていただけたらと思います。

 

 

5.最後に

 

長くなりましたがこれが本当の本心です。

楽しむ側の人にはノイズにしかならないような私の個人的な感情も垂れ流しにしてしまいましたがどうにかこの局面を私も乗り切るつもりです。

全てが落ち着いた時。

お互いにパワーアップして人生を楽しみましょう。

というわけでどんどん仕事ください。

 

三瀬賢太