劇団運営におけるSNSの薬と毒について

劇団コバヤシライタはSNSにとても力を入れています。

というか広告においての大半のウエイトを占めていると思ってます。

劇団員には「少なくとも1ツイート、インスタグラムの更新」を義務というかノルマとしてお願いしています。

みなさんのタイムラインには開くたびにおそらく誰かのツイートや何かしらが見えていることでしょう。

 

そもそもみなさんはこの劇団のことをどうやって知ることになったでしょうか。

まさかGoogle先生に「愛媛 劇団 マジック」で検索をかけてたどり着いた人はいないと思います。

おそらく劇団員のどなたかのSNSで知ることになったのではないでしょうか。

というかそれ以外で知る方法はほぼ皆無です。

つまりこのページを見ている人全員が何かしらの形で劇団員とつながりのある人ということになります。

 

地方で劇団運営をする場合、チケットの大半を「手売り」で売ることとなります。

僕が高校のときに所属していた劇団ではノルマ(たしか10枚だったかな)があって、筆箱の中や財布に入れておいて買ってくれそうな人と話してる時にすぐ出せるようにしてました。

高校の友達とかは大丈夫なんですけど、演劇人に売るとなると「ごめん〇〇(劇団の他のメンバー)から買っちゃった!」とかって言われたりして競争感覚もありました。

もちろんチラシも今なんかよりも大量に印刷してました。

ダイレクトメールもまだホントに手紙でした。

アンケートに住所とか書いてもらうじゃないですか。

あれをデータベース化してハガキで公演案内を送るんです。

SNSの先駆けであるブログがやっと僕が高校3年生の時くらいに一部の人がやってたって感じで基本的には窓口はホームページですね。

「毎週○曜日 〇〇:〇〇〜 稽古をしているので見学に来てください!」

なんて書いて。

僕が記憶している限り大学の掲示板(本当に黒板のやつ)を見て見学に来た人もいたはずです。

そんな時代だったんです。

今考えるとよくあれで100人とか人が集まってたなぁと思います。

 

10年経つと本当に様変わりしました。

ダイレクトメールは手紙からE-mail(古)に代わり、そして今はラインなどのSNS機能がその役割を果たしています。

というかむしろダイレクトメールすら来なくなりました。

基本的にチケットを売る手段はTwitterなどのタイムライン型SNSで告知するだけということが増えました。

ホームページを持たない劇団も普通にいますし、存在し得るようになりました。

SNSはホームページの代わりにもなり得るからです。

ホームページはなんだかんだそのページに辿り着いてもらうのは手作業なわけです。

窓口ではありますが入り口ではありません。

その点SNSは便利です。

リツイートが流れて来て知ったり、なんのことはない繋がりたい人とはフォローするだけで少なくともアプローチはできます。

その利点を認識した上で行ってるかは分かりませんが、少なくともSNSの方が広告活動としては便利なわけです。

お金の面でも見逃せません。

確実にチラシを印刷する量が減りました。

というか僕の中ではチラシってもういらないんじゃないかと思ってます。

実際のところ劇団コバヤシライタではチラシを「広告」として位置付けていません。

どちらかというと作品の一部です。

手にとって見たくなったり保存したくなったり試してみたくなるデザインを鈴鹿にはお願いしています。

 

少なくとも「広告としての」チラシは県内公演ではほぼ無意味だと思ってます。

どうせSNS見ちゃうでしょう。

おそらくチケットを買うかどうかはもうチラシで決めてる人ってSNSをやってない人以外ほとんどいないと思うんですよ。

しかもSNSは基本的に無料です。

スマホさえ持って入れば誰だって更新できます。

そりゃどこの劇団だってSNSを使うわ…。

 

 

 

しかしながら便利になっているにも関わらず愛媛の演劇人口は縮小しています。

10年くらい続けている人はほとんどすべての人が感じている流れではないでしょうか。

劇団の数は増えましたが、それぞれの所属人数は比べるまでもなく小規模です。

まぁその点は劇団コバヤシライタも小さい劇団ではありますが、集客においても確実に減っています。

当時の演劇人の悲願だった小劇場シアターねこも存在し、無料でダイレクトメールよりも確実に興味のある人に情報を届けられるSNSが存在するにも関わらず、です。

そこにSNSの”薬”のなる部分と相対する”毒”の部分が影響していると考えています。

 

絶対に勘違いしてはいけないのはSNSは優れた「入り口となるツール」ですが、「ホームとなるツール」ではないのです。

SNSでの宣伝というのは興味を持ってくれるところまでは連れていけますが、そこから「チケットを買ってもらう」などのアクションを取ってもらうまでにはやはり”もう一押し”が必要になります。

「無料で提供できるもの」は「無料で手に入ってしまうもの」なのです。

便利すぎるSNSのせいでチケットを買うというアナログな行動にハードルが出来てしまうのはなんとも皮肉です。

 

劇団コバヤシライタのライブはかなり小規模で一回に呼ぶ人数は最大でも20人で、基本的には10人です。

それでもメーリングリストは400人近く持っていて、その中から100人くらいには送ります。

ライブの制作期間中の朝にまず最初にすることはダイレクトメールを送ることです。

一日10人くらいずつ送ります。

「この人は返信をくれたな」「なるほどこの人は土曜日だったら来れると教えてくれたぞ」と言ったような情報を蓄積させてその人が観に来たくなるタイミングをなるべく狙うようにしています。

こういうと機械的で感情の伴ってないように聞こえるかもしれませんが、やみくもダイレクトメールを送るよりも僕はフォロワーのことを考えていると自負しています。

まぁ、劇団コバヤシライタの話は個人的としても、何が言いたいかってSNSのフォロワーは「10人に1人」くらいしか実際に劇場には来ないです。

SNSを過信してはいけません。

結局のところチケットを売る方法は「アクションを取った回数」からしか生まれないと考える方が健全です。

ありがたいことに直接ホームページの予約フォームで予約してくれる人もいますが、そういう人が増えていくためにもどんどんアクションを取っていくべきだと思います。

 

ですから劇団コバヤシライタのメンバーの誰からかダイレクトメールが来た場合。

来て欲しいという気持ちはもちろんなんですけど、断りづらいなんて思わないでください。

可能であれば「この曜日ならいけるんだよ」とか「こういう理由で行けないんだ」というのをお教えくだされば嬉しいです。

次の公演や企画で反映することが出来ます。

普段SNSでつながっている人からの返信ってだけでも嬉しいですしね。

 

三瀬賢太

 

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劇団コバヤシライタのメインコンテンツは作品ではありません

普通の劇団運営ですと活動内容が公演でありメインコンテンツが作品です。

もちろんそこにグッズ販売や他劇団への客演などの人事的交流はあるでしょうが基本的には公演を企画し、それを見てもらうために他の活動があります。

 

劇団コバヤシライタを立ち上げるにあたって他の劇団との明確な差別化をするために考えたのが「何にメインコンテンツを置くか」でした。

もともとマジックをする僕のライブ管理のために始まったプロジェクトですからコンセプトは十分に変わってますし早々かぶるものではないです。

だからこそマジック以外のコンテンツを扱っていく上でどうすれば魅力的で個性的にうつるだろうか。

 

色々考えた結果ひとつ思いつきました。

 

そもそもメインコンテンツをライブにしなければいいんじゃないか

 

えへへ。

意味分かんないでしょ。

もちろん劇団としても大きなウエイトを占めるのは作品ですしライブです。

チケットが売れなければ活動を維持することなんか出来ません。

ただこれを中心に劇団を運営する必要が果たしてあるのだろうか。

劇団なんだから劇をすることは大切です。

劇団なんだから団を組むことも大切です。

でもそれと、公演のためにチームを組んでそれ以外のコンテンツを「公演の副次的なもの」に位置付けてしまうことは全く別に考慮すべき問題じゃないかって考えるようになったんです。

 

幸か不幸か劇団コバヤシライタの現メンバー構成に純粋な演劇畑で育ったのは僕と小野くんしかいません。

瀬野はお笑い芸人を目指す元落研の部長だし、鈴鹿もお笑いをやっていますしデザイナーとして加入してもらった経緯があります。

というかそもそも今となっては僕のことを役者ではなくマジシャンだと認識してるでしょうし、小野くんも写真の活動をしています。

つまり、劇団コバヤシライタのメンバーはみんな演劇以外の分野に片足、もしくは両足を突っ込んでいる多国籍軍というか異国籍軍なわけです。

これを利用しない手はないなぁと。

というわけで宣言します。

 

劇団コバヤシライタにメインコンテンツはありません。

SNS、youtubeなど皆さんの身近なメディアで毎日どこかで活動しています。

皆さんは朝を起きて寝るまでの間、スマホを開けば必ず劇団コバヤシライタのコンテンツを見ることが出来ると約束します。

 

動画や写真、劇コバグッズを楽しむのもいいし、お使いのSNSで劇団員にアプローチしてもいいと思います。

劇団員の個人の活動を見に行ってもいいでしょう。

僕や瀬野はだいたい毎月どこかのステージでマジックショーやお笑いライブをしています。

小野くんだって、他の劇団の舞台に上がることもあるでしょう。

会いたいと思った時にネット上、現実世界にこだわらずどこかで楽しむことが出来る。

そのひとつに劇団主催のイベントである本公演があります。

 

毎日、それぞれの熱量で楽しんだ劇団コバヤシライタのメンバーが劇場で待っている。

劇団コバヤシライタにとって劇場とは劇団コバヤシライタのユーザーと集まることの出来る場所として位置付けています。

作品は劇場だけでなく普段からスマホの向こう側で作品が育っていくところを楽しんでいただけます。

最後の完成形を劇場で見ることが出来るというわけです。

 

劇団コバヤシライタは皆さんスマホの中にいます。

楽しみ方はそれぞれ。

 

三瀬賢太

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